I.序論

 世間の人々が俗に「兵営国家」と呼ぶ北朝鮮の動員体系を論じること自体が難しく見られ、無意味かも知れない。何故かというと、北朝鮮の住民は、生まれてから死ぬまで全員が組織生活を行っており、彼らは、これを「社会政治的生命」と呼んでいるためである。それ故、北朝鮮の全住民は、戦時や平時を問わず、強いて規定された動員体系ではなくても、組織の指示一声で一矢不乱に動くように行き届いている。このような条件でも、軍事を最も重視する北朝鮮は、一旦有事の際に、全国、全民を迅速に戦闘兵力化できる動員体系を2重、3重に作っている。

 今日、最悪の経済難と特に深刻な食糧難を経ている中でも、北朝鮮は、このような軍事重視思想を捨てておらず、むしろ徐々にさらに強化している。軍事第1主義思想は、彼らの労働党規約に明示されているように、どんなことがあっても武力で韓国を赤化統一しようとする北朝鮮の統治集団の変わることのない意思において発現されているのである。北朝鮮労働党規約には、次のように明示されている。

 「朝鮮労働党の当面の目的は、共和国北半部における社会主義の完全な勝利を成し遂げ、全国的範囲における民族解放と人民民主主義の革命課業を完遂することであって、最終目的は、全社会の主体思想化と共産主義社会を建設することである」。ここで語られている全国的範囲とは、言うまでもなく韓国を含めた全朝鮮半島を示している。また、北朝鮮労働党規約には、次のような条項もある。「朝鮮労働党は、南朝鮮における米帝国主義の侵略軍隊を追い出して植民地統治を清算し、そして日本軍国主義の再侵企図を挫折させるための闘争を展開する」。

 北朝鮮労働党規約におけるこのような条項がなくなるまでは、北朝鮮の南侵の野心は、継続されるだろうし、従って、北朝鮮の動員態勢も変わらないのみならず、今後も徐々にさらに強化されるであろう。最近、北朝鮮の経済難と特に深刻な食糧難により、彼らの戦争意思と努力を疑う観測もあるが、今も北朝鮮軍は、健在しており、特に武力により赤化統一しようとする北朝鮮の指導者金正日の確固不動の意思は、韓国の状況と国民の態度如何によっては、予測できない最悪の事態が起こらないと断言できないようにしている。

 実際に、最近でも、北朝鮮の宣伝媒体は、好戦的発現を継続しており、98年5月28日にも、北朝鮮の官営中央放送は、次のように放送した。「南朝鮮傀儡は、敵対双方の軍事人員達が張りつめて向かい合う軍事分界線において、そのいかなる偶発的要因によっても収拾できない破局的な事態を将来し得ることをはっきり知り、軽挙妄動してはならない」。

 実際に、北朝鮮は、冷戦体制が崩れ、自国の経済難が深刻となり始めた80年代中盤から90年代中盤に及ぶ10年間に、むしろ先端航空機の導入、240mmロケット砲の生産配置、長距離自走砲の前進配置、そして4個歩兵軍団の新設等、軍事力を急激に増強させる様相を見せている。北朝鮮はまた、96年10月から軍服務年限を13年と3年延長し、徴集対象者も拡大、成分不良により徴集から除外された者も、22歳まで軍入隊を許容されていることが明らかになった。

 このように、北朝鮮は、軍事力こそ北朝鮮が成し遂げようとする最大の国家目標、即ち北朝鮮が主体となる赤化統一を達成するにあたって、最優先順位に置かなければならない手段として、変わることなく看取している。軍事力が統一のための最も重要な手段の1つであることを隠さない北朝鮮は、韓国に対する軍事力の優位を成し遂げるために、最大の努力を傾注しており、そのような結果、1970年代に至るまで韓国より堅実なものと見られていた北朝鮮経済自体を崩壊及び破綻させる境遇に至ったが、今日もやはり、北朝鮮の軍事戦略の最大目標は、武力による朝鮮半島の統一だと見ると、北朝鮮を改革開放に誘導するために、弛まず努力する一方、北朝鮮の挑発の可能性に対しても、放心することなく、毅然と対峙していかなければならない。

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最終更新日:2003/01/02

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